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アラン探訪 そして英国へ
第1章 いざアイルランドへ
シォコンさん
間もなく90歳を迎えるバードリックは、アイルランドにあって貴重なアランニットの伝統を後世に伝えるべく、並ならぬ尽力で勤めている人物である。フジタが本物のアランニットと出逢い、今まで絶えることなく続けることが叶っているのは、ひとえに氏のおかげに他ならない。たしかに初めて逢った氏とアランニットには、とてつもない説得力を感じものだった。
パードリック・オ・シォコンは、アイルランド=ケルト民族の歴史や文化を説く著名な学者であると聞く。熟成された調査や学説はアイルランド国内で数冊の著書となり、国の内外で評価を得ているのだそうである。
しかし我々の前では微塵ほども奢ったところは無く、もっぱら「シォコンさん」と親しみを込めて呼びかけている。ともかく酒が好きなアイルランドの気さくなおじいちゃんなのだ。
そんなシォコンさんは、我々と入れ違いに日本でのコンベンションを終え、昨日、帰宅したばかりだ。それでも手術で痩せてしまった体をイスから起こし、みなにアイリッシュウィスキーを注いでくれた。とても顔色は良く元気そうで、自らもウィスキーをやりながら、「30年前に俺が撮ったんだ」と、眼を細めて語る秘蔵のVTRを手にしている。
このVTRは、氏の書き下ろしたアランに関する著書の映像版ともいうべき極めて貴重なもので、アランニットの歴史を留め置く資料としての価値は計り知れない。全編20分ほどの16ミリのフィルムに収めた当時のアラン諸島に生きる人々の生活を、保存のために磁気テープへ複写した代物である。
映像は、数人の男がアラン独特の黒い手漕船で荒波の海へ繰出し、沖に停泊している大きな船へ花嫁を送り出す、貧しく厳しい彼の地の生活そのものの描写であった。撮影した時代が時代だけにひどく昔を思う映像であったが、アランで過ごした翌日からの生活で、それが変わっていないことを思い知らされるのだった。
2時間も過ぎただろうか。明日からアラン諸島へ同行してくれる息子ローリーと、明朝7時30分のヒューストン駅を約束し、シォコンさん宅を跡にした。
いよいよ明日は最果ての地へ発つ。
* アラン探訪 そして英国へ4 *
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1~12 遂に完結!
どうぞお楽しみください。
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